今回のワークショップは、すっかりお馴染みになりました『素材』からはじめてみるデザイン。素材や技術の機能から、新しい商品のアイデアを発想するというものです。
デザイナー、もしくはモノを作ることに携わる人々にとって、「素材」というのは非常に重要です。また、素材の機能・特性・塑性を活かすことで完成度が上がるデザインや、その素材なしでは成り立たないデザインというのも、昨今増えてきています。
そこで今回は、素材・技術の特性を徹底的に分析し、素材について深く理解した上で、コンセプトを挙げることにしました。
今回、題材とさせて頂きました素材・技術は以下の4種類です。
参加者のみなさんに、まず素材のご紹介。機能・塑性の説明の後、実際に触れた上で、質問をいただきました。初めて見る素材の感想、触ってみて改めて気付いた質問など、職業や専攻など、それぞれの専門に基づいた鋭い質問が多数寄せられました。
その後、素材ごとのグループに分かれ、いよいよ作業開始。
四つの素材について、それぞれ希望するテーブルで、ディスカッションをします。この中で使用するのは『素材カード』。この素材カードには、一行目に「 ので 」、と印刷してあります。ここに、グループ内ディスカッションで出た、機能(もしくは特性)と応用(もしくは応用機能・応用特性)を書き込みます。例えば、「重いので防振性がある」と書き込むことで、特性→応用機能がひとつずつ判明します。更に、二番目に出した応用機能を、次のカードの一行目に置くことで、『防振性があるので音響機器に向いている』というように、応用の応用を探り出すことが可能です。そして更にこの二行目を三枚目のカードの一行目に・・・というように、連想ゲームの要領で、機能・特性から生まれる応用、応用から生まれる更なる応用を、言語化していきます。
また、このカードの作成に加え、並行して「その機能・特性によって何が出来そうか?」を付箋に書いて貼っていきました。要素、機能だけを無作為に抜き出すのではなく、コンセプトに落としやすい情報を意識してもらうためです。材料として使えない情報を並べるのではなく、最終的に『モノにつながる要素』を集めることに意味があるのです。
そして、ここまでのカードと付箋を材料に、「空想ストーリー」を展開します。ワークショップでは例外なく提供している、この手法ですが、集めた要素を自己の中で完結させるのではなく、「~したい」(要望)「でも・・・」(問題提起)「なぜなら・・・」(問題分析)「だったら~!」(問題の解決)と、わかりやすく分析、言語化することで、コンセプトに説得力を持たせます。独りよがりなコンセプトでは共感を得られません。わかりやすい言葉に落とし込み、他の参加者と共有することで、提案を客観化し、良い意味での主観の排除を目指します。
コンセプトシートにデザイン提案を落とし込み、スケッチ、使用シーンを描き終わったところで、これらを壁に貼り、参加者同士で批評を行います。参加者はそれぞれ3枚の付箋を持ち、提案に対するコメントと、その製品に対する希望購入価格を記入、それぞれのコンセプトシートに貼っていきます。自分の出したコンセプトに、その場で反応が返ってくるのは楽しいものです。
これらの提案は、「素材・技術」のページにて公開中ですので、ぜひ投票・コメントをお願いします!
新しい素材や技術に触れることで、それを活かした新しいデザインが可能になる、その楽しさがおわかりいただけるのではないでしょうか?

