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| ▲前回の実験は白色LEDを使いましたが、今度はオレンジ系の光で実験してみました。 |
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| ▲20cm角という条件で、古平さんが文字をデザインしました。電流のことなどをクリアして、試作に進みたいと思います。 |
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前回の実験で、新たな材料である日本板硝子株式会社の「ウム」を使って、アイディアを実現できるかもしれないという手応えを掴みました。ではどこまで古平さんのデザインのイメージに近づけることができるのか。先ずは試作品の完成を目指すことにしました。
「ウム」は、瞬間的に透明・不透明が切り替わる調光ガラスで、本来は広い面全体を調光することが想定されているので、文字だけを光らせるためには加工が必要です。そこで自分たちでウムをカッターで文字の形に切ったところ、端面に光が反射して、文字の輪郭が光って見えてしまいました。切らずに文字だけを光らせる方法としてエッチングがあることまでは分かったのですが、どうやらエッチング代が高いらしいのです。
困り果てた空想スタッフは、エッチングはもちろん今後のことも話したいと思い、早速芝にある日本板硝子ウムプロダクツ株式会社を訪ねました。

同社の常務取締役高橋恭三さんと、マーケティング部と海外営業部を統轄している近藤正之さんは、このプロジェクトにぴったりのものを用意して下さっていました。「ウム」を使ったある美術家の作品の試作品で、7セグ(デジタル時計などの数字のデザイン)の数字が次々とあらわれるものです。未公開ということもあり写真でお見せできないのが大変残念ですが、これは私たちのしたいことに非常に近く、端面の処理のレベルももちろん高いものです。 静電気を使ったパウダービーズの原理実験では、完成品のイメージになかなか近づけなかったのが、ウムなら分かりやすい。しかし、ここで立ちはだかるのが値段です。試作品製作の見積りが百万円を超えてしまうのです・・・。 「値段の高さはやはりエッチング代なのでしょうか」と、高橋さんと近藤さんに聞いてみました。「ウム」はITO膜という透明な導電性フィルムで液晶をプレスしたものなのですが、エッチングは液晶にではなくITO膜に行います。ところがこのエッチング加工をする業者は少なく、外注費がかなり高い。それに歩留まりの問題もあります。小さなものでは取り効率が非常に悪い。当然、残ったITO膜もコストに反映されてしまう。なによりも業者にとっては将来の用途が見えないとなると、高く見積ることが多く、こういった様々な理由で出てきた値段だということが分かりました。
値段の問題で試作をあきらめられないスタッフは、「何とかコストを下げる方法はないか」近藤さんにたずねてみたところ、嬉しい提案をして下さいました。社内のテスト用に、手作りに近い形でITO膜と液晶のプレス作業をする機械があるというのです。精度は多少低くなるかもしれませんが、これだと外注せずにできます。ただし「ITO膜は加工して持ち込むこと」という条件付ですが、小さなITO膜の加工をしてくれる業者を見つければ、加工費も安く抑えられるはずですと教えていただき、これでぐんと現実感が増してきました。

「きれいに作った試作品がまず1個ないと、ここから先に進めないでしょう。」と高橋さんがおっしゃる通り、この1個の試作品を手にすることで販売店などに話をしやすくなります。日本板硝子側も、本当に魅力がある使い方なのか判断もできるでしょう。何より、私たちの今後の行動を決める大きなきっかけになるはずです。
ウムは建材として使われることが多い材料です。液晶では不可能な大面積での加工ができることがウムの大きな魅力で、会議室の商談スペース、病院などの間仕切り、映像スクリーンなどに使われています。カーテンの代わりとして使用すると、視覚的な効果だけでなく埃を吸着しないため、病院などの衛生面を気づかう所での評価も高いようです。
「この照明器具をきっかけに、どんな用途が期待できると思いますか?」と高橋さんに聞かれました。メーカーとしては当然新たな用途開発を期待しているでしょうし、私たちもそれに応えたい。現時点では、建材としてだけでなくプロダクトとしての可能性が生まれること、そして照明と表示の中間領域を目指せるかもしれないこと、その結果販売チャネルが拡がるだろうということしかまだ言えません。それは決して大きな市場ではないかもしれませんが、協力して下さるだけの期待にぜひ応えたいと思っています。
後日、このプロジェクトに初期からアドバイスを下さっている王子トービ株式会社の守田幸信さんに、加工業者をご紹介いただけないかと伺ったところ、20cm角のITO膜なら10万円台で加工してくれるでしょうと教えてくださいました。古平さんにも連絡し、この面積をうまく分割して文字をデザインしてもらいました。それを日本板硝子に持込んでプレスしてもらうと、「きれいなプロトタイプ」が私たちの目の前にあらわれるはずです。そこからどのような道を探っていくかを検討していくことができます。みなさんも私たちと一緒にこの試作品の完成を楽しみにしていて下さい。
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