デザイナーの皆さんから「作りたいイメージ」を募集し、それを具体化することのできる材料と技術を見つけていきます。作りたいものを形にするために、思いもよらない技術や素材の使い方を一緒に考えてみませんか?進行は月刊誌「室内」と連動し、3ヶ月間での具現化を目指し、その後には商品化も目指します。
▲実験のために準備したアクリルの箱など。

▲古平さんがデザインした文字の形に、導電性フィルムを切り取ります。
▲切り取ったフィルムを、アクリルの箱の内側に貼り付けました。
▲箱の中にパウダービーズを入れ、高圧をかける機械につないで実験開始です。 今回は1mmのパウダービーズを使いました。
▲5000Vまであげましたが、ぴくりとも動きません。
▲棒でパウダービーズを動かしてみると、少しくっつきました。
▲導電性フィルムとパウダービーズを1cmの距離に近づけて実験してみました。 上のアクリル板に、導電性フィルムが貼ってあります。 3000Vあたりから徐々にパウダービーズがフィルムに寄せ付けられ、5000Vの時はぐいぐい集まっています。
▲1cmに近づけた時を横から見た写真です。
▲ストローを使って、アクリルの箱の中に風をおこしてみました。 パウダービーズがフィルムにどんどんくっついていきます。
▲同じ実験を、粉体を酸化チタンにかえてしてみましたが、箱の内部にくっついた粉が落ちずに残ってしまいました。
▲アクリルという材料は静電気を帯びてしまうことがわかりました。フィルムに電圧をかけなくても、自然に箱の内側にどんどん粉体がくっついていきます。今後はガラスの箱で実験します。

文字を光らせるための材料となる金属粉「トナー」をみつけ、早速「透明な電気磁石でトナーをくっつけ、光る文字を浮かび上がらせる」実験を開始しようとしていた空想スタッフ。しかし、その電気磁石の開発の協力者、王子トービの守田さんから待ったの声がかかりました。



第15回目の電気磁石の紙上実験の際、守田さんから「計算上磁力は発生するけど、熱も発生する」という指摘がありました。守田さんがさらに計算を重ねた結果、回避できるような発熱量では決してないということが判明したのです。そうは言ってもこれまで考えてきたことを簡単にあきらめきれず、質問攻めする我々空想スタッフの目の前で、無理だと証明する実験も見せて下さいました。 ひょっとしたら新技術の発明になるかもしれないとワクワクしていた私たちにとって、この方法をあきらめるのはつらい。でも今大事なのは古平さんのアイデアを確かな形にすることで、技術が何なのかではないのです・・・。
  しかし守田さんは「透明な電気磁石」とは別の方法を考えていました。それは静電気を利用して粉体を動かす方法で、原理は空気清浄機と同じということです。既存技術で新しい発見ではありませんが、まずは試作品を完成させなければ始まりません。これまで考えていたやり方から方向転換し、「静電気」での実験に取り掛かりました。



守田さんの指示で、実験に必要なものを用意することになりました。アクリルの箱とぴったり閉まる蓋、エポキシ系の接着剤、文字の部分となる酸化チタンの粉(女性が使う白粉でいいそうです)、そして導電性フィルムなど。古平さんには文字をデザインしてもらいました。
透明な膜である導電性フィルムに強い電圧をかけると静電気が発生することは、立証済みの技術です。では、どのくらいの電圧が最適なのかを見極める為の実験です。
実験は、電信柱の変電機などを作成し実験設備を持っている名古屋にある日本高圧電気株式会社の坂井章人さんに協力をお願いしました。
実験の流れは、写真をご覧下さい。
まずは用意した実験器具を、1000Vから5000Vの電圧をかけることができる機械につなぎます。 ここで「実験に使う粉体は、発泡スチロール(パウダービーズ)の方がいいと思いますよ」という坂井さんのアドバイスにより、粉をパウダービーズに変更しました。
最初は5000Vまでの電圧をかけても、パウダービーズはびくともしません。そこで導電性フィルムとパウダービーズを近づけてみるためパウダービーズをかきまぜると、ほんの少しですがフィルムにくっつきました。
それでは距離を縮めてみようと、フィルムとパウダービーズを1cmにまで近づけてみると、3000Vあたりからパウダービーズがくっつき始めたのです。
今度はストローを使って箱の中に風を発生させてみると、文字の形をしたフィルムの下の方にどんどんくっついていったのです。
今回実験をすることで、「静電気で粉体が動く」ことが確認できました。
そして、いくつかの課題があることがわかりました。
まずは、透明な箱はアクリルでない方がいいということ。文字型の導電性フィルムより、アクリルの箱の方に静電気が生じてしまうからです。透明な電気磁石方式を考えていた時には、中に入れるポリマーとの相性からガラスがベストと思っていました。今回はまずアクリルでやってみようと思ったのですが、やはりガラスの方がよさそうです。
  さらに、きれいに文字の形に粉体を集めるにはどうずべきかを検討します。箱の中に扇風機のようなものを仕込むのがいいのか、それともスノードームのように自分で箱を振る方法がいいのか。




このプロジェクトが始まって、はや8ヶ月。今たくさんの人が関わり初めてくれています。ここからは「つくるチーム」と「販売チーム」に分けて考えた方が効率的です。つくるチームは、とにかく実験を繰り返し行います。販売チームは、この商品をどういう位置付けで、どのように売っていくかを考え、行動に移します。古平さんのアイデアを実現するためにどんどん進めていきますので、楽しみにしていて下さい。皆様からの情報ならびにご意見・ご協力も引き続き募集しています。

 
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