デザイナーの皆さんから「作りたいイメージ」を募集し、それを具体化することのできる材料と技術を見つけていきます。作りたいものを形にするために、思いもよらない技術や素材の使い方を一緒に考えてみませんか?進行は月刊誌「室内」と連動し、3ヶ月間での具現化を目指し、その後には商品化も目指します。
▲守田さんはいろいろなものを見せてくださいます。「たとえばこれは?」と見せてくれたのがこれ。透明なシートに印刷したELです。
▲電源を入れると光が浮いて見えます。光る部分が透明にならないのが残念。

前回ソニーの森さんを訪ね、「とにかく第一の目標を達成すること」つまり、試作品の完成を達成することに注力しようと決意しました。
そして今回は、試作品を完成させるために「光るアルファベット」の材料となる電気磁石の部分の試作に力をお借りしたく、「透明伝導性フィルム」メーカー王子トービ株式会社の守田幸信さんを、再度訪ねました。



「本当につくる気なんですね。」
ひととおりの報告を終えると、守田さんはしばらくの沈黙の後におっしゃいました。その沈黙には、このプロジェクトを推進するには、相当の覚悟が必要なんだというメッセージが込められているようです。
守田さんによれば、空想スタッフが考えた「文字を光らせる仕組み」は面白く、理論上はつくれるかもしれない、でもあくまでもそれは『理論上』であって実際の『技術』として出来るかどうか、このふたつの間には相当の距離があり、実現可能かどうかを検証しようと思ったら電気系統のプロとしては疑問だ、とのこと。

「それでも試作品をつくるというのなら、お手伝いできることはします。まず電機磁石の部分に関して、成立するかどうか計算してみましょう。あなたたちがしなくてはいけないことは、『実験を手伝ってくれるボランティアを探すこと』と『素材は本当にあるのかの早急な確認』。それからお金はどうするのですか?一文字だけ浮かび上がる模型でも10万円やそこらはします。」

小さな実験をするだけでもそれだけのお金が動くのですから、商品化するまでの試作品に一体どれだけお金がかかるのでしょう



未確定要素はありますが、まずはできることから始めようと守田さんの協力を得て、紙の上での「実験」が始まりました。どのくらいの磁力が発生して、本当にそれが文字になるのかを計算してみるのです。
そして守田さんの計算によると、非常に微力だけれど磁力が発生することが分かりました。しかし、同時に熱が発生してしまうという問題が発生することも明らかになりました。熱が出るとなると、何らかの形で熱を冷ます方法を考えなくてはいけないという新たな課題が見つかりました。 守田さんに実験を進めて頂いている一方で、空想スタッフも情報収集を行った結果、我々が探している材料について詳しい大学の先生にお会いして、色々確認できつつあります。 実験を手伝ってくれる人については、嬉しいことにガラスの専門学校に勤務している方が名乗りをあげてくれました。まだまだ募集していますので、興味をもった方は是非ご連絡下さい。(詳細については、第13回をご覧下さい。)

また「お金をいかに集めるか」という問題については、常につきまとうことで解決していかないと先に進めません。そこで、商品化されたときのロイヤリティをこちらから支払うことと引き換えに、実験に必要な資金を支援してもらうことを試みます。それには、特許取得を再検討するのも必要かもしれません。そのためにもやはり、どのようなものかが見て分かる「試作品」を作ることが先決です。

次号では、材料について調べた結果をご報告したいと思います。また、皆様からの情報ならびにご意見・ご協力も引き続き募集しています。

 
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