入社以来、ポリウレタン繊維「ライクラ®」の工場勤務を経て、現在は新用途の開拓や流通向けのマーケティングを担当する杉森さん。ストレッチ性のある少し変わった生地や加工素材を見つけると、「糸をバラバラに分解してみる昔の仕事の癖がなかなか抜けません(笑)」といいます。
ファッションの世界では、スリムですっきりしたシルエットが大人気。スキニージーンズの流行も記憶に新しい。若い世代を中心に支持の高いこうした服は、外からはちょっと窮屈そうに見えても、着用してみれば身体にフィットして意外に動きやすい。その秘密は伸縮性に優れた繊維の存在があった。身体の動きにあわせてしなやかに伸び縮みし、快適な着心地と自由なデザインを実現する繊維、それが「ライクラ®」。「ライクラ®」は優れたストレッチ機能をもつ繊維のブランドなのです。
「ライクラ®は、欧米では、その名前を聞けば、多くの人が身体にフィットする服をイメージできるくらい、知名度の高い繊維ブランドです」というのは、オペロンテックス・ライクラ営業部マーケティンググループの杉森智恵美さん。
もちろん日本でもジーンズやジャケット等、ファッション衣料にはじまり、インナーウェア、ストッキング、水着やスポーツウェアに至るまで、伸縮性が求められる様々な衣料品にライクラ®が使われています。米国生まれの「ライクラ®」は、日本では長く「オペロン®」という日本国内専用の商標のもとで販売されていましたが、1999年より世界ブランドのライクラ®に統一され、今日に至っています。
ポリウレタン繊維のライクラ®は、コットンやウールといった天然繊維や、ナイロンやポリエステルといった合成繊維と共に、5~20%の割合で混用され、生地全体に伸縮性を与えます。ライクラ®と組み合わせる繊維によって、また、布地を製造する織機や編機によって、出来上がるファブリックの表面感、風合い、厚さ、そして伸縮の度合いやパワーを変えることができます。ライクラ®の繊維自体は通常透明で、細いものになると、まるでクモの糸のように細くて、ときにはほとんど見えないくらい。でも、そんな控えめな外観とは違って、その実力は相当なもの。例えば、オリンピック選手が着用するボディースーツ型の水着も、その多くがライクラ®を採用しているといいます。
「最近では、従来のポリウレタン繊維に加えて、PTT(ポリトリメチレンテレフタレート)複合繊維と呼ばれる新しいタイプの繊維「T400」がライクラ®のファミリーに加わり、さらに用途の幅が広がっています」(杉森さん)
衣料品向けのイメージが強いライクラ®ですが、意外なところでも採用されています。その代表が紙おむつ。横モレを防ぐギャザーやおなか周りの部分にライクラ®が使われていて、元気に動き回る赤ちゃんにもしっかりと、そして優しくフィットしています。その他にも、ユニークな触感が人気のクッションカバーに使われたり、複雑な曲面で構成される車輌の内装に採用されたり、世界的に活躍するアーティストがクリエイトするオブジェの主要素材として使われたりと、ライクラ®のもつ伸縮機能が様々なシーンで生かされています。
「ライクラ®のもつユニークな素材特性を生かして、人々の健やかな生活に貢献していくのも私たちの役割の一つ。最先端のファッションから衛生材料に至るまで、ライクラ®はライフスタイルのあらゆるシーンを演出する機能素材です」と杉森さんは語っています。
* ライクラ®はプレミアムストレッチファイバー及びファブリックに対するインビスタ社の登録商標です。
スポーツのように、激しい動きが要求されるシーンでこそ、ライクラ®素材が活躍します。
ライクラ®は紙おむつのギャザー部分にも使われています。ずれにくく、漏れにくい。赤ちゃんをしっかりサポートしています。